パンダワ寺院群 日の出を見て、いったん宿に帰り朝食をとって一休み。その後、宿から徒歩でも行けるパンダワ寺院群へ。8世紀頃のマタラム王朝時代に築かれたジャワ島最古のヒンドゥー遺跡寺院である。かつては200箇所もの寺院群だったと言われるが、今ではほんの8箇所しか原形を留めていない。僕らが立つこの遺跡は古代インド叙事詩マハバーラタの登場人物の名前を付けられた5つの寺院群でこじんまりとしている。涼しい風に吹かれながら広い土地にぽつんぽつんと建つ小さな遺跡をゆっくり歩いて見て回るのは楽しい。ジャワ島ではじめてのヒンドゥー寺院を建てる場所にこの地が選ばれたのはどんな理由があるのだろう。

カヲル「ジョグジャから同行したガイドとドライバーが高地での気圧や気温の変化で具合が悪くなってしまった。確かに、日本の真冬並みの外気でロスメンに暖房がないのはきびしー。こういう季節を知らない中部ジャワ人にはちょっと酷だったかも、一睡もしてないんだって。体が芯まで冷えてしまって、分厚い毛布を何枚重ねても、もう自力で温まることができないらしい。仕方ないから調子の悪いジャワ人たちを置いて僕らだけで散歩することにした。寝不足のわりにこんなに活力があるのは日の出を拝んでパワーチャージしたせいか、な。」 雲山「ディエンはUFOがよく目撃されるので有名だ。新聞に載ったこともあったっけ。この遺跡の近くなんかは確かにそんなものも現れそうな感じの不思議な場所ではある。せっかく星鑑賞やUFO呼びで遊ぼうと思ったけど、昨夜はあまりに寒すぎて外に出る気がしなかった。街灯が煌々と明るくて星が出ているかもよくわからなかったし。
ジャワ島で一番初めにこのヒンズー遺跡を建てた理由はなんだろう。昔の人はきっと何か決定的な理由でこの地を選んでいるはず。」
カヲル「出発する前は、夜は毛布にくるまって星空眺めよう、などと考えていたが手を洗うのも躊躇するような寒さでトーンデモな計画であった。そんな予定はとっとと忘れて僕と雲山さんは夕食後、底冷えのするロスメンの部屋でありったけの防寒具装着して早々と就寝しました。でも結局、寒すぎて眠れないドライバーとガイドに2時半位から起こされ、明け方の極寒を満喫しますたけどね(笑)
こういう遺跡に来ると、時々、石段の幅や入り口の高さや装飾の大きさ、建造物相互の間隔などに微妙な違和感を感じることがある。これを建てた時代の人間は、果たして今の僕らと同じような体の比率、あるいは縮尺だったんだろうか。ガイドに歴史や神話を教えてもらうのも興味深いけど、その場所がまだ生き生きとしていた時間へ、勝手な想像や思い込みを馳せるのも楽しい。」

シキダン地熱地帯 荒涼とした光景のこの地熱地帯は、僕らの間ではジャワの大涌谷と呼んでいる。あたりには硫黄の臭いがたちこめ、観光客が少なく閑散としている。広い台地を噴気孔から噴出す湯煙を見ながら歩いて、生きた地球を体感することが出来る場所。奥のほうへ進むと特別大きい池の中で泥湯がぶくぶくと不気味に煮立っているのを見ることが出来るが、あまり近づくのは危険。かつてここで何度か観光客が足を滑らせたり、自殺者が出ている。高地の涼しさと紫外線の強さが、僕らの馴染みのジャワとは別もの。

雲山「クラクラッと眩暈のするディエンで、ここだけがちょっと異質。地面の下に重力で引っ張られてがっしりずっしりと地に足の着いたように安定感が感じられ、歩いていてとても心地よい。好きだ。硫黄の臭いはジャワ人は毒ガスだといい怖がっているが、僕にはなんだか懐かしい臭い。温泉に入りたい。いつも感じるけど、ここでの太陽の光ってすごく強く感じるね。1日ここでボーっと座っていたい。」 カヲル「3〜4年前に来た時よりもさらに閑散としている。観光地なのに人っ子ひとりいなくて、それがまた異次元、異空間な雰囲気を倍増させてる。ここへ立った途端、ウォノソボの山を登り始めた頃から続いているクラクラ感がすーっと引いていくのがわかる。ガッチリと大地へつなぎ止められたような、ちょっと恐いのにほっとする、不思議な安堵感に満たされる。」
カヲル「噴出口付近には、柵もなければ立ち入り禁止も注意書きも何もない。煮えたぎった湖面がもくもく立ち昇る白煙の合間に見え隠れするぎりぎりの淵まで行ける、行きたければ、だけど。こえ〜〜!こんな所で自殺する勇気があるんなら生きようぜ〜。今のところ、ここを温泉地として開発するような動きはなさそうだ。ジャワ人、硫黄の匂いが苦手らしいし、なんならこのまま、ずっと寂れていてもらいたいものだ。」
雲山の空 カヲルの空

トップページへGO!