![]() |
||||||||||||||
![]() |
![]() |
![]() |
||||||||||||
|
カヲルさんと僕が襲われた不思議な感覚。
自分のルーツに近づいたような既視感と、郷愁、こみ上げてくる感情。いったいここに何があるのか。 |
||||||||||||||
| 雲山「寺の上に、先日夢に出てきたのととても似た躍動感のある竜の像を見上げてとても興奮した。中に入ると、なんと言うか、雰囲気、匂い、音、すべてが異次元に入り込んでしまったかのように変に僕に絡みついてきた。早く出たいような、ずっと座っていたいような、落ち着くような、なんだかわからない感覚で戸惑った。吐きそうになって頭が痛くなり、ぐらぐらした。ふと、かつてジャワ島にゆかりのあった自分とはジャワの民族なのではなく、海から渡ってきた中国人のほうだったのかもしれない、と思いあたった。 なんとなく何かを引き金に懐かしい感じ、いやな感じなど強烈な印象があり、現世に原因がまったく心当たりがない場合は恐らく前世の記憶だと勝手に思っている。前世の記憶は実は忘れているようでも、必ず自分のどこかに刷り込まれている。自分のことをよく観察していくと、縁のあった国々や大体どんな体験をしていたか、なんとなくわかるようになってくるものである。夢ではっきりビジョンとして現れたり、言葉や映像がシンクロした場合、より鮮明に記憶がよみがえる場合もある。 これが単なる妄想、思い込みなだけだったとしても、誰にも迷惑をかけず実害もないので面白いから思い込んでおくことにしている。自分の心の中での記憶のパズルゲームである。いくつもの絵がばらばらに混ざり合っている複雑なパズル。その記憶の断片もまたいつか繋がって、過去の自分の姿をもっとはっきり見せてくれるときがあるのかもしれない。自分の心にあるビジョンが本当のことかどうかなんて所詮誰にもわからない。わからないから肯定も否定もせずただその記憶を楽しむ。自分の前世に固執するのは愚の骨頂だが、遊び心で捉えればこんな楽しいことはない。 |
![]() |
|||||||||||||
| カヲル「雲山さんと二人でこのような不思議に出会う時、彼はその感覚の理由を事実や体験から得た知恵を使って解明しようとする。具体的な史実などと照らし合わせて自分の感じたものの裏付けを取るらしい。思い違いやこうありたいという気持ちが作り出した妄想や戯言ではない、と納得できる説明、というか描写が可能なのだ。そんなアプローチのできる雲山さんがうらやましい、とも思う。 が、僕の場合、感情そのものがアンテナになってしまう事が多く、そうなると左脳的な作業は完全にストップしてしまう。実際に起こった事か妄想なのかはどんどんどうでもよくなってしまうんだな…ちょっと危ない。自分の体験したその感触だけが大切で、外界とのつながり(言葉とか表現したい気持ち)を経ちたい衝動にかられてしまうのだ。僕は大覚寺そのものより、あの界隈に妙ななつかしさを感じた。盲目的に何かに従う人生、それで満ちたりている人生、というぼんやりした感覚を受け取った。その感覚に埋もれてうっとりしていたかった。」 |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| カヲル「両端が空へ跳ね上がった形の瓦には、龍や花のモザイクが施されている。こんな細かい作業、大変だったろうな。この屋根に切り取られた空を中庭から見上げていたら急に泣き出しそうになる。雲山さんも泣きそうになると言っていた…どしたんだ、俺達?」 | ||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| 何かに取り憑かれたかのようにこの異次元にどっぷりつかっていた。我に返って振り返るとあれはいったいなんだったんだろう、と思う。いつのまにか現実の日常へとまた戻っていく。 | ||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||